【設定(殆ど本文で登場済)とあとがき】




星影 ノーガルド・デー

(nogard-der 逆さまにするとred-dragon=赤き竜)



(正体)
 竜の星の影。赤き竜とはドラ●ンボールのピッ/コロ(大魔王含む)と神様の様な関係。どちらかが消えればそのもう片方も消える。力にも立場にも強弱・優劣はないが、得手不得手はある。星影曰く自分は影なので、赤き竜よりは闇の世界に上手く干渉しやすい。

 5000年に一度赤き竜が目覚める時、星影もまた目覚め、星影が眠る時赤き竜も眠りにつく。シグナーや自らの力の一部を持つドラゴンという端末を持っている赤き竜と違い、たった一つのまま存在し暗躍する。ただし赤き竜の為に何かをする訳ではなくまた敵対する事も無い。身も蓋も無く言えば赤き竜というプラスに対するマイナスであり、バランス取りの存在。



(外見)
 青緑の長髪をゆるい一本の三つ編みとして後ろに垂らし、前髪の両サイドが龍の角の様に後ろへと跳ねている。青紫の双眸で、目尻、そして頬に青紫の模様(赤き竜の目元辺りの黄色い模様と同じ)がある。唇も青紫色。赤き竜が赤色の体に黄色の縁取りがされているので、影である星影はその補色により青緑(赤の補色)の髪、青紫(黄の補色)の瞳、縁取り、口紅となっている。

 本来の姿は赤き竜と同じ姿(ただし色は青緑・青紫)だが、人間の姿の方が暗躍しやすいのでまず戻らない。



(喰事情)
自分で選んだ人間の願いを何でも三つ叶え、叶え終わった人間の魂を喰らう事で次の眠りへの栄養とする。
星影はかなり燃費のいい体質らしく、利己的で人を人とも思わない様な下衆の魂を一つ喰らえばそれで事足りる。地縛神の事を「質よりも量だけを重視する、ただの燃費の悪い暴食家」と言ったのも、彼の主食もまた同じ人間の魂であるから。

ただしそんな彼の舌はかなりの偏食家に位置している。星影曰く、自己中心的で理不尽で愚かな願い(要するにどうしようもない糞野郎。本人にしか得が無ければ更に良し)である程、魂が彼好みの味になるらしい。逆に言うと誰かの為という願いばかりを三つ叶えると、淡白を通り越して無味で旨味を感じられずとてもじゃないが物足りないらしい。その場合魂を食しても栄養が足らずすぐに目覚めてしまう為、他の人間の願いを叶える必要が生まれるらしい。



(栄養)
 魂を食すまでの間に、非常食として人間界に実在する食事を摂る事も出来る。が、どれほどの量を食べてもそれで空腹が満たされる事はない。

 彼がパワー・ツールの前で食べていた十枚重ねのパンケーキと1斤の食パンを使ったハニーショコラトースト(共に、人間なら余程の甘党でない限り胸焼け必死の過多トッピング付き)は、星影からしてみればコーヒースプーン一杯程度の真水にしかならない。

 ちなみにスコーンはクロテッドクリームと甘いジャムをたっぷり塗って50個程度食べれば霞一滴程のエネルギーになる。これは魂以外の食事に対して星影の燃費が悪いというのではなく、摂取した食物に含まれる星影が吸収・活用出来るエネルギーが最初から極端に少ない為。(人間の食事に直せば、一日に必要なエネルギー2200kcalを味付け無しのこんにゃくと水だけで摂取しようとするようなもの)甘いものばかり食べているから甘党に見えるかもしれないが、ほんの僅かでも多くそして手っ取り早くカロリー(脂質糖質)を摂取出来るのが菓子類だったから食べているだけで、味が濃くてカロリー高めなら好き嫌いはない。


 星影にとっての主食はあくまで魂なので、正直に言えば遊星のメッセージによって熟成を進めた龍亞の毛先三センチにも満たない髪の毛の魂は、三つの願いを叶え終えて熟成を待ち続ける間彼が摂取した食事の総エネルギー量を軽く上回る。



(未伝承)
 星影の存在は星の民には伝承されていないのでイリアステルにも知られていない。5000年の間に一度(一人目の魂が善人だった場合は二度)魂を喰われ廃人となった人間(取るに足らぬ下衆)がおようとも誰も気に止めないので、その事で不審に思われる事もなかった。
 それは星影に意思がありそのような人間ばかりを選ぶから、というのもあるが、時々外れ(=善人)を選んでしまい二、三千年しか眠れずに起きる事もある。その場合は赤き竜も一緒に目覚める事は無い。



(目印)
 星影が赤き竜から預かっていた石(心臓の痣と同じ形)を食事(主の魂)に渡していたのは、単に「擦ったら自分が出てきて願いを叶えるアイテム」として説明した方が分かりやすかったし、他の物を探さずとも身近にあった実体を持つ物だったのでそのまま利用しようと思ったから。
 正確に言えば星影は石の中にいるのではなく石と微弱なリンクを繋げた状態で世界を飛び回っており、石を擦られたらすぐにそこへ召喚出来るようにしていた。なので石が無ければ、別のものでも代用可能。ランプとリンクさせ文字通りの魔法のランプとして渡す事も出来るが、現代でランプを持ち歩くのはどうかと思うので、また適当に石を探した方が早いかもしれない。



(あとがき)

 時期設定的には、ブルーノと出会う〜クラッシュタウン編開始前の間辺り。こういう経緯があった(星影に体を丈夫に作り直された)から、クラッシュタウン編で鬼柳さんと一緒に崖に落っこちた遊星はほぼ無傷でいられた、みたいな感じにしてみました。(鬼柳さんは死神に嫌われている為大丈夫だったと思っております←) 対ルチアーノ戦で赤き竜が龍亞を助けたのには星影は関与していませんしまだ会えておりません。その方が赤き竜→龍亞ってなるから龍亞受的にはクるものがry……そこでもし既に石を持っていたなら、龍亞は遊星にじゃなくて星影に「ルチアーノをぎゃふんと言わせたい」と願っていた事でしょうし、そうなるとイリアステルに星影の存在が知られてしまって余計にややこしいかな……と考え、こういう形に収まりました。


 そして龍亞の魂に埋め込まれた石は、アーククレイドルにて無事に心臓の痣となりました。彼は赤き竜の願い通り、ultimo-esperanza(英語ではLast-hope)になったのでした。……なのでこの物語が本当にめでたしめでたしとなったのはここではなく、龍亞が六人目のシグナーになった時とも言えると思います。


 星影の記憶改竄によって遊星が「龍亞が目覚めないだけで物凄く駄目になっちゃうヘタレ」的な感じになってしまってますが、これもひょっとしたら星影の思う壺なのかもしれません。
 けれどイリアステルの三人は「どんな手を使ってでもシグナーを倒す」<「サーキットを完成させる」が目的なので、この話の事件後龍亞を狙って人質にしたりということにはなりません(なればとっても美味しかったけどね>ボソッ)。本編の流れに矛盾を起こさないようにというのを注意しながら、楽しく書かせていただきました。いつもはパラレルばかり書いてるので、こういう原作設定小説を上手く書ける人が羨ましいです。




ここまで読んでくださりありがとうございました。



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